住宅コラム
住宅コラム3回目「坪単価に御用心」
  • 限定連載コラム3回目です。宜しくお願いします。
    五十嵐 宜しくお願いします。
  • 今回は坪単価をテーマに御願いします。
    五十嵐 かしこまりました。
  • 注文住宅を検討する際には坪単価にて比較する方が多いですよね。
    五十嵐 確かに多いと思います。比較の材料になりやすいのでしょうね。
    弊社でも坪単価についてのご質問が多いのですがその場合も内容を良くご説明してご理解いただいてからお話をするように努めています。
  • 坪単価の差は、そのまま材料の質や性能などの差に直結するわけですよね?
    五十嵐 いえいえ、そういう訳ではありません。そういった内容も整理をする為にそもそもの坪単価の意味合いからご説明させてください。
    若干古い話になりますが弊社を始め従来の工務店では、工事代金の全部を含めた価格で坪単価をお話していました。
    工事代金全部というのは、すぐにでも暮らし始めていただける状態でのお引渡し時点での価格でエアコンや門扉などの外構を含めた総額を言っており当時はそこから坪単価が算出されていました。
  • それでは当然、同じものでも差が出ますね。
    それにしても、いつごろから、なぜ、本体のみの価格で坪単価が出されるようになったのですか?
    五十嵐 十数年前からでしょうか、ハウスメーカーやローコストを売りにするハウスビルダーと呼ばれるフランチャイズの会社などが坪単価(=本体価格)という表示をつかい、建物の(躯体+内装+設備)の額(経費や外配管等は含まない)が宣伝されるようになり、そこから広まってきたように思います。
    ただそのお陰で我々工務店が同じ中身で坪単価(本体価格)表示をすると更に安い価格で今まで通りの良質の住宅ができることも判ってきたのです。
  • 坪単価に何が含まれているかお客様も知る必要がありますね。
    五十嵐 その通りです。
    いろいろなビルダーや工務店の中にも坪単価だけではなく「コミコミ価格」とか「1000万円均一の家」などといった表示をされているところもありますがやはり中身がどこまで含まれているかをお確かめになることをお勧めます。
  • ひょっとしたら坪単価からの計算では住み始める時に何か足りない可能性も?
    五十嵐 皆様がお引越しをしてお住まいになる為にはエアコンやカーテン等も必要になってくる訳ですし、それ以外でも建てる前の地鎮祭や確認申請費、建てた後の登記なども忘れてはならない費用になります。
    また坪単価の中身だけでは満足できない。そんな注文住宅ならではのお施主様の『こだわり』やそれぞれのご家族なりの『オリジナルな住まい方』については、別途オプションになっている場合が多数あると思います。
    「コミコミ価格」といわれる坪単価でも、どこまでコミコミなのかを知っておく必要がありますし、「xxx万円の家」や「1000万円均一の家」なども、同じように中身をお確め頂いた方が良いと思います。
  • 別途オプションと言われたのが気になります。
    ひょっとすると建て売りではない注文住宅なのにこちらの希望を受け付けてもらえない事があるのでしょうか?
    五十嵐 そうですね、ここからが坪単価の差に関する本題にもなりますが、安い坪単価の商品には規格型の完全おまかせでまったく変更できない商品もありますので注意が必要です。
    せめて屋根やサッシなどだけでも選択変更できるセミオーダー商品の坪単価か、特殊なご注文にも対応できるフルオーダー商品の坪単価か問い合わせてください。
    オール電化住宅、免震住宅など仕様の違いで坪単価も変わる事もご理解いただけると思います。それと同じだと考えていただければよいかと思います。
  • 諸費用やオプションなどの扱いについて業界統一標準などないのでしょうか?
    引越しや登記の費用は別にしても、統一されたもので坪単価が比較できると大変助かると思うのですが。
    五十嵐 残念ながらそういった統一はされていません。統一できない1つの要因として坪単価をどの程度の大きさの建物に設定するか、或いは平屋なのか2階建てなのか、それとも3階建てなのかといった定量の決まりがないのです。
    弊社では平屋から2階・3階それぞれの大きさに合わせた坪単価をご用意していますが各社の考え方ではばらつきもあります。
  • なるほど、階数ですね
    五十嵐 えぇ、そうです。
    そしてまた、ご存知の方も多いと思いますが、建物が大きくなればなるほど坪単価も安くなり、逆には高くなります。それはトリックではなくて坪数が違っても、1戸の住宅に必要な設備は基本的に同じものが設置されます。ですから1戸分の設備を最低限は掛かる費用とすれば、建物が大きくなるほど坪数に対する費用は割合的に減ってくるわけです。
  • 建物の大きさによって坪単価が変わるということですね。
    五十嵐 そうです。
    坪単価26万円台とうたっている会社でも建物の大きさが20坪と40坪では坪単価が違ってきます。
  • 坪単価を安くするには大きく作る方が得になりますね?(笑)
    五十嵐 ただ、建物が大きくなれば総額が上がるわけですし、坪数を少なくすれば総額が下がりますので、坪単価を安くする為に建物を大きくすれば良いというものではありませんよね。
    要は、住む方にとって必要な大きさと設備が揃った住宅の大きさから、坪単価ではなく建物の総額で検討することが大事になります。
  • 建物の総額として他に留意すべきこと何でしょうか?
    五十嵐 いわゆる諸経費といわれるものとして確認申請費や地盤調査費用など、更にプラスできれば予備費として地盤補強費用なども計上し、その他屋外の給排水や電気の引き込み工事もあります。
    そしてオプションといわれるオリジナルなこだわり部分、また外構工事費やエアコンなども計算に入れておくべきだと思います。
  • なるほど、ますます坪単価だけでは単純に考えられませんね、
    というか坪単価から概算することは余り役に立ちませんね。
    五十嵐 やはり建物のプランを考える上では総額をまず出して、その額を元に住宅ローンを組まれるのが得策であり早道になると思います。
    その上で、そのように住む方のこだわりや個性を出すかを考えていければ、より一層良いものになっていくと考えられます。
  • 繰り返しますがやはり坪単価より総額のほうが重要ですね。
    五十嵐 弊社でも目安として坪単価はお話はしますが、やはりなるべく早めに総額まで判るものをお出しできるように今までの実績のあるプランでの総額のお話や建築費以外にかかる費用なども資金計画に必要なことは、お知らせするように努めております。
  • 総額は自分では出せないので総額の見積もりの依頼からということですね。
    五十嵐 そうですね、お気軽に申し付けていただきたいものです。
    ご契約まで行かなくとも、比較の材料として役に立てる見積もりを弊社も心がけていますので。
  • なるほど、有難うございました。
    では次回は今回すこしお話いただいた資金計画についてお話いただけますか?
    五十嵐 了解いたしました。よろしくお願いいたします。有難うございました。
  • 五十嵐
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